▼用語詳細(電気工事用語集)
土被り
(ドカブリ)
土被りとは、トンネルや暗きょのように地中に埋設される構造物の上端から地表面までの土砂や岩盤の厚さのこと。電線を地中に埋設する場合、十分な土被りを確保すると、地表面から管路に伝わる圧力が分散されます。十分な土被りを確保し、かつ埋設シートを電線路の上部に敷設すれば、重機で掘削した際の損傷を受ける可能性が低くなり、より安全性が高くなります。

電気設備技術基準の解釈では、直接埋設式(電線をそのまま地中に埋設する方法)の場合、
1.2mより深い位置に埋設し、かつトラフ(地中に布設するケーブル又は配管を保護するために用いるコンクリート製のふた付U字溝。)の防護措置を施すか、がい装ケーブルと呼ばれる強度の高いケーブルを用いることが定められています。トラフや板を上部に設けることで、つるはし程度の衝撃から防護できます。

※つるはし
硬い土を掘り起こすために用いる道具。鉄製で両端または片方だけを鶴のくちばしのように先端が尖らせてあり、柄をつけたもの。

車両等の重量物が通過することがないと分かっている場所であれば、0.6mの深さまで緩和できます。通常、地中埋設管路を設計する場合、電線を直接埋設するという計画は行わない。電線管に収容するのが一般的のため、埋設深さの規定を用いる場合はほぼありません。

電線管にケーブルを収容して地中埋設する場合、地表面からの埋設深さの規定はありません。地表に露出して敷設することも可能です。寒冷地等、凍結深度が規定されている場合は、凍上による電線管が変形するおそれがあるため、地域ごとに定められた土被りを確保する必要があるので、注意すること。